代々木にて:国別対抗戦2012初日

当初は行く予定のなかった国別対抗戦ですが、久しぶりに試合を会場で見たかったこと(SOIがいまいちだったこともあり)、顔ぶれが意外とゴージャスだったこと、南側の1階席が数日前にも関わらず普通に確保できたことから、ふらりと行ってまいりました。

特に見たかったのは、
アイスダンスのTOP2、メリル&チャーリー、テッサ&スコット、見られることを楽しんでいるエレーナ&ニキータ、MyWordlをつくりあげるナタリー&ファビアン。
世界選手権で復活したジュベールに、高橋君、今季力を出せなかった小塚君、アモディオの軸の細いジャンプ、リッポンとアボットのアメリカパワー。チャンの現役最高峰といわれるスケーティング。
全米女王に輝いてから自信をつけたワグナー、コストナーのスケーティング、佳菜子ちゃんのスピード、あっこちゃんのSP、ソトニコワの滑り。

■アイスダンス

会場に駆け込んだ頃には、エレーナたちの終わりかけ。でも、ナタリー達に間に合いました。
日本では、ほとんど放送がないのはわかっていても、ワールドでは、メリル達はおろか、開催国のナタリー達も見られなくてがっかりを通り越して呆れました。
アイスダンスとペアは、6分間練習の足慣らしを見ているだけでも気持ちがいい。エッジのきわを巧みに使った滑り、氷を押す音、スピード。それだけでも、なんだかいいものを見た気分になります。

TOP3は、シンクロ度合いについてはもはや言うことなし。
プリンスアイスワールド以来のナタリーたち。アイスショーでも試合でも、どこまでも独創的で自分スタイルを貫くところが、やっぱり個性際立ちますし、魅力的でした。チームズエワに立ち向かえる、数少ない実力者達です。彼らのような存在がいないと、競技として偏ってしまうと思いますので、貴重ですね。

テッサ達は、ちょっと動きが重たかったので、やっぱり2位。
テッサを見て思ったことは、「魅せる」ことが上手い。ズエワ女史の振付は体力がなければこなせないダイナミックな動きが非常に多い(時に、アクロバティックが過剰で下品に思うこともあります)ですが、体や腕を大きく使った動き、何より決めが上手いので、しまるしプログラムにメリハリがつきます。
大柄なテッサに対して、きゃしゃなメリル(しゃべるとさらにかわいらしい)。線が細い分、やや損をしている感はありますが、それでもやっぱり激しいズエワ振付を踊りこなすところはさすが。今日一番スケートが滑っていたのは彼らでしたね。
今日一番の目的、テッサとメリルの違いを試合で確かめてみること、に関しては、
もちろん両者とも技術は世界のトップ。
自分の魅力を前面に押し出すことに長けているテッサ。明らかに彼女が主役。
振付を自分のものにして、二人でさらに世界を広げることができるメリル&チャーリー。
個人的には、後者の方が好感度が高かったです。

■男子

「見に行ってよかった!」男子の感想はストレートにその一言です。
ジュベールでスタオベ、高橋君でスタオベ。

高橋君の94点、ワールドレコードでしたか。これは明らかに100点時代がすぐそこにきていることの証ですね。
もう、上手いとかそういうものではありませんでした。
試合を見ていることを忘れるくらいの没入感
を味わわせてもらいました。
「上手くいくかどうか」なんて考える隙を与えずに、自分の世界と空気をつくりあげてしまう。試合であることを忘れてしまう、そんな濃い時間でした。

体から音が出ているような演技は、教えられるものではないんですよね。天性のもの。
音感だけは、あとから養うことはできません。音に合っている、のではなくて彼が音を引っ張って紡ぎだす、そんな空間でした。つまり気味のジャンプが、着氷後にもっとのびるようになれば、チャンのGOEに並ぶことでしょう。
音を引き寄せて形にできる能力は、チャンにはない、高橋君だけの武器ですから。
彼に滑れない曲無し。コリオグラファーが求めるスケーターです。

彼の後で滑りにくかろうチャンですが、ここでつぶれるようでは本物ではない。
と思ったら、なんとも簡単に4回転を決めました。
スケーティングスキルは、やっぱり別格です。
4回転ですら、ほとんど漕がずに、数回の滑りでトップスピードにもっていてそのままの速さで教科書どおりに飛んでしまう。
彼のすべりは6分間から、違っていました。「最小限の力で最速の滑り」そんなスケーティングでした。
3Aが抜けたので、もうちょっと点は抑え目かと思いきや、大ちゃんに迫る勢い。
ただし・・・3Aが抜けてもあの点差。これが成功してていたら、限りなく100点に近かったことでしょう。
GOEとPCSの不可解さは健在です。

久しぶりの小塚君。エレガントなスケートが久々見られて嬉しかったです。今年は苦い結果でしたが、十分な実績があるので、次のシーズンで切り替わった姿を見せて欲しいです。

初めてアモディオ君を見たのは数年前のSOI。軸の細さと回転の速さに驚いたものですが、4Sチャレンジしてきました。
今年は個性をベースにモチベーションをあげる作戦だったわけですが、来シーズンで違った彼を見せてくれることに期待。

ジュベール、やっぱり氷にのった瞬間から存在感が違います。
間違いなくスター選手の一人なので、まだまだ滑っていて欲しい。
ただ一人4-3を決めたのに、PCSがやはり伸びませんね。スコアを後から見ましたが、TRで6点台をつけているジャッジはどうかと思いますよ。間違いなく、観客を惹きこむ演技でした。今のルールと採点傾向から犠牲になりがちで気の毒。

アボットは、とにかく復活できてよかった。本人が納得できる滑りができたことが一番の収穫。

リッポン君はスケートが柔らかくていいですね。リッポンルッツ、見ていて華やかです。一つでもこうした特徴があることが強みですね。

■女子

カナダの二人、ファヌフもラコステも、滑りが思ったよりガリガリでした。カナダの選手は、ジャンプはバネがあるんですけれど・・・。どちらもなかなか100%の演技には至らないですね。このままではカナダの将来が危惧されます。まだフランスのほうが安心。イリサの特長的な黒鳥のポージングが、印象的でした。

マルケイの演技は初めて見ました。
今日はとてものっていて、よく踊れていました。アイスダンスのあとだとどうしても比べてしまいますが、負けないくらいエネルギッシュな動きで、気持ちよかったです。

インタビューなどを聞く限り、心優しそうなソトニコワ。急激に背が伸びて苦しんだシーズンだったことでしょう。ジャンプを飛んでも手足の処理にまだ迷いのようなものを感じますが、十分な高さは見ごたえがあります。
ボレロ、なんとも滑りにくそうで編曲もしにくい難しい曲なわけですが、それでも形になってるのは15歳の類まれなる才能ゆえ。力強さを表す衣装といいい、曲といい、コーチのプロデュース戦略が垣間見えます。

今季3-3をものにしたレオノワ。3-3の入りのスピードが爽快です。残念ながら今回は勢いをコントロールできていませんでしたが、これが決まればジャッジが点を出したくなるのもうなずけます。
マイムだらけのモロゾフプロはうんざりですが、アモディオもレオノワも、彼のおかげで自信を取り戻せたのは良かった。

6分間で3-3を2回決めていた佳菜子ちゃん。
ジャンプの入りの前かがみと、かっくり折れるレッグの処理がなんとかなれば、もっと点が伸びるでしょうけれど、勢いある3-3は見ごたえ十分。ジャッジの前でも物怖じせずに体現できる力がつきましたね。

あっこちゃんのSPはあたりプロですね。これが見たかった。
そして、シックな衣装も素敵です。
3-3、3lzが決まると、もう後はお客さんと一緒に曲にのるだけ。観客を味方につける曲、プログラムとはこういうのを指すんだなと実感。あっこちゃんがどんどんのってくるのが、席にいて伝わってきて、こっちまで楽しい気持ちになりました。
こんなに自由に滑ることができて、あっこちゃんも気持ちよかったと思います!

モデルもこなす身長とスタイルのコストナー、氷のタッチがとってもソフトなんですよね。伸びる滑りばかり注目されますが、体重を感じさせない氷のとらえかた、品のよさが素敵だなと思いました。あっこちゃんとは打って変わって、大人の世界にぎゅっと引っ張り込みました。
3-3も無駄な力をいっさい使わず、ふっと降りてくる、そんなジャンプが素敵でしたね。

■初日の感想
1日3競技、世界トップクラスの演技を堪能できました。
代々木は駅からのアクセスはいいのですが、女子トイレについては改善が見られませんねぇ・・・。
試合はアイスショー以上に会場を冷やすので、30分の休憩でもTDLなみのぐるぐる長蛇の列。
喫煙スペースに仮説トイレを置くとか、いくらでもやり方はあると思います。
最後尾を案内するお兄さんも一人だけだし。
招待席だと、何から何までお話にならないくらい別格なんですけどね。
この差はどうなんだろうと思ってしまいます。

あとは、客席からひとこと。
スケート好きな方が増えるのは将来のためにもとてもいいことだと思うのです。
が、応援の度が過ぎて、わずらわしく感じる方がちらほらいたことも事実です。
選手がポジションについても、いつまでも大声援。いつまでも拍手(かしわで)のような耳障りな拍手。
滑り終えていないのに、個人的な実況を声高にしてくださる。
「○○の試合では××だったけど、今日は▼▼かな」「やっぱり○○選手は■■だからダメだよね」など。
挙句の果てに、休憩時間に知らないグループさんの「サインをもらった」自慢話を耳にすると、
「○○選手と写真を撮ってもらった」だの自慢合戦が始まる始末。

好きなのはお互い様ですが、ちょっとうんざりしました。
せめて試合中は我慢しましょう。マナーとして。

そういえばチンクワンタも来ていましたね。さすがにコストナーの時はちゃんと見ていましたが。
男子はフィンランドのUimonen女子がTechnical Specialist、女子はAssistantで入っていましたね。彼女は回転不足に厳しい印象があるせいか、前半女子はジャンプが一つ抜けると50点もギリというなかなか辛口な結果で、会場もザワザワしていました。このあたりはテレビでは伝わらない部分です。
そのかわり、実績がある選手で、ミスがなければ点が伸びるという、現在の採点方式の妙が数字にも表れているなと思いました。
ジャッジで入っていた城田女史のコラムも後日楽しみに拝見したいと思います。

やっぱり、現地の試合観戦は面白い。
テレビは、選手を中心にとらえて追いかけるので、スピードの違いがわかりにくいし、氷で反射して衣装の色具合もわかりにくい、解説の音声がメインになるよう音調節をするので、会場の盛り上がり具合がなかなかわからない、選手の存在感の違いや音の使い方の上手い下手は、会場でなければわかりません。

音と演技がばらばらだと、こちらも集中力が薄れますし、そつなくこなしている選手は時間が遅く感じたり、リンクがやたらと広く感じます。

ぼやいてしまいましたが、明日以降はテレビごしに応援したいと思います。
日本の黄金期。やっぱり試合は楽しいです。

四大陸2012:女子FP

■今井
いつもの遥ちゃんがまったく見られないまま終ってしまった・・・。
後半の立て直しに期待していたのですが、切り替えることができず。
雰囲気に左右されるというよりは、まだ自分の波をつかめていない、まだペースコントロールができいない発展段階にあるようにも思えます。まずは調子を万全に戻すことが先決ですね。

■ファヌフ
彼女のよいところは失敗が続いても、マイナススパイラルにはまらないところですね。
音楽とどんどん離れてしまう選手が多い中、ジャンプのミスは別として、ステップはステップでちゃんと音をつかんで表情ものせて滑りきる。このあたりはとても印象がよいです。
とはいえ、ジャンプミスが多すぎました。

■ラコステ
worldをかけた4CC、というのも選手にとっては本当に酷。枠をかけたカナダスケ連の思惑が見えます。
気合が画面からも伝わってくるような緊迫感ある演技でした。

■ジャン
3lzはまだ体と腕のひねりぐせがあるものの、3Fがずいぶんと綺麗になりました。
そして3loを自分のものにしています。矯正が大変だったでしょうに、ここまで改善されるとは。努力が形になりましたね。
ミスらしいミスの無い、いい演技でした。

■ワグナー
ジャンの雰囲気に上手くのれるかな?
笑顔が見られます。3連続の3Fが高く柔らかい!
2A-2T。3Tを回避してきましたね。3lzも力がほどよく抜けていて、ジャンプの調子が良さそう。
このプログラムのトレードマークにもなったスパイラルの腕。
曲の強さにちゃんと溶け込んでますね。イーグル3loも綺麗。3Sも決めて、なんだか波に乗っています!
ジャンプの高さが後半になっても落ちません。
本人も興奮気味の表情。ダイナミックな演技からしっとりしたスワンの演技へ。観客の期待に応える素晴らしい演技!!
全米女王の称号は、彼女にどれだけ自信を与えたのでしょう。
128.34。GOEがかなり出た模様です。

■ザワツキー
US代表3人目が続きます。さぁ、先輩陣の好演技に続けるかどうか。これも経験と割り切って、若さを生かした思い切った演技に期待。
2Aこらえました。3F、3LZとも綺麗にふわりと上がりますね。
ところどころジャンプが抜けて演技が雑になりがちでしたが、なんとか自分をコントロールできているよう。
滑りきりました。これからですね!

■村上
ちょっと目元のメイクがきついような・・・?
3LO、6分間からまったく危なげないですね。
スパイラルでもまだ少し表情が硬いですが・・・3-3が抜けてしまいました。後半にあのダイナミックなジャンプが観たかっただけに残念。集中を切らさずに頑張れ!
3T-3Tが一番の注目技だけに、ちょっと盛り上がりに欠けてしまったかな。3連続も入りませんでした。
北米ではわかりやすいプロが受けるだけに、少し損をした感じ。

■浅田
新しい衣装は
3A、決まりました!
全体的にちょっと重たく、慎重に滑っている様子で、全日本ほど軽やかな演技とはいきませんでした。
表情もちょっと苦しそうでした。
3Sが2S、ルッツのお手つき、3LOが2footなどちょっとずつ欠けているところはありましたが、3A決まったことはとても大きいですね。3Fもつまりぎみで、細かいミスが多かったかな。ワグナーが上かと・・・やはり。124.37。

■ジャン(CHN)
3T-3T、スピードある素晴らしい3連続。
要素をひとつずつきちっと決めていて好印象。特にスピン。ただ、壮大な曲とは少しマッチしていない振付かな・・・。

■ざっとスコアを見て。

()=GOE

ワグナー TES 56.10 +GOE 66.61(10.51) PCS 61.73
真央    TES 58.37 +GOE 62.95(4.58) PCS 61.42
ジャン TES 55.41 +GOE 63.25(7.84) PCS 54.19
村上 TES 48.78 +GOE 51.58(2.80) PCS 54.29

うーん、まず真央ちゃんのFPの3Aアンダーローテ?にしても-3のジャッジが1名。
3lzのお手つきでマイナスがついていないジャッジが一人というのも?
ステップとスパイラルで+3をつけているジャッジもいますね。
スペシャリストはフィンランドのUIMONENに、
コントローラはバンクーバーでも物議をかもしたインマンですか・・・。

Referee Ms. Mona JONSSON
Technical Controller Mr. Joseph L. INMAN
Technical Specialist Ms. Pirjo UIMONEN
Assistant Technical Specialist Ms. Robyn BURLEY

TRでひとりだけ6.25、PEもひとり6.50、IPもひとり6.75のジャッジがいますね。
(アシュリーのミニマムはどのPCSも7.00)。

アシュリーはあのスパイラルでほとんどのジャッジが+3をつけて、結果+2.00を得ています。
とても特徴的だとは思いつつ、腕の動きだけだと思う部分もあり、複雑です。

3A 8.5>6.00 -1.29=4.71

おかしな関数を見ているようです。

北米で実施される試合は、曲調とパフォーマンスで大きく採点が揺れるように思えてなりません。
ニースで平等な採点がされますように。

2012_チャレンジの四大陸選手権

ショートとフリーとそろっていませんが・・・放送を見ての感想です。

【女子ショート】

■浅田
衣装をパンツルックからワンピーススタイルへ。これは3Aの飛びやすさを考慮しているのかも?
ターコイズブルー、久しぶりですね。ちょっとジュニアっぽいデザインのようにも思えますが、リンクにはよく映えています。きっと客席からは、よりシェヘラザードらしく見えるのではないでしょうか。パンツルックもゴージャスでしたが、細さが目だっていましたし、こちらのデザインの方が姫らしさが出ていて雰囲気が変わっていいですね。

スピードがあるので入れるかな?と思った3A。両足にはなりましたが、Worldを見据えて、チャレンジできる段階にきたことはステップアップの証。

変わりましたね、3A。特に公式練習の3Aがそうですが、今までのようにきつめのカーブで深く沈んで高くあがるジャンプから、流れからスっとスライドするように飛ぶ、飛距離のある回転の速いジャンプになりつつありますね。これはスピードを生かした飛び方に変化している証拠だと思います。
「回転不足を気にして高く飛ぶようになった」と以前コメントしていた真央ちゃんですが、佐藤コーチのいうスピードの使い方をひとつずつ体得しているのでしょう。

久々の3Aで流れが途切れることが心配でしたが、6分間練習の時から動きが大きくなっていたように、体を十分に使った演技でした。表情に華やかさが戻り、何かふっきれたよう。
このままFPにつなげて欲しいです。

■ワグナー
やっと念願の全米女王を手に入れて、自信あふれる表情で登場。
ブラック・スワンは明らかに彼女を上げましたし、パワーにもなっているように思えます。
2footのクセが出てしまいましたが、ほぼ完璧な演技。その割りに得点が伸びなかった印象。
しかし、FPで確実に演技が出来れば優勝も圏内です。

■村上
3F-3Tへのチャレンジを止めて、得意な3T-3Tにしたのは良策。これまでよりもさらに飛距離も高さも出て、非常にゴージャスな3連続!T-Tはそのままキープしておいたほうがいいのでは?
正直、SP1位は佳菜子ちゃんかと思いました。
前かがみで漕ぐスケートと、美しいとは言えないフリーレッグで損をしているような気もします。このあたりのクセが改善されたらもっともっと点が伸びるのではないでしょうか。

■今井
繊細な衣装に、女性らしい振付が素敵なプログラム。4大陸に選出されて喜んでいましたが、気合が空回りしてしまったようで残念。FPでの伸びやかな演技に期待。

【男子フリー】

■リッポン
バッハの王道曲の組み合わせ。ダンジェン&有香コーチらしい選曲に、クセやアクの無いリッポンの純な魅力を引き出すパスカーレの振付で、粋なプログラムです。
ヌーディベージュにワンショルダー側だけのビジューが素敵!
リッポンルッツはやっぱり映えますね。
コロラドでも大人気!

■町田
ちょっとゴテゴテしていますが、凝った刺繍の衣装ですね。
ランビエールの姿が見えるような振付。4回転の転倒がちょっとこたえているかな?
メロディの変わり目で切り替えたいところ。3連続は決めるも、少し集中を欠いているように見えます。
音をとれていない・・・物語が進むので曲に追いていかれるとドンキはきつい。
うーん、のりきれないまま終ってしまいました。

■高橋
ひきしまったいい表情をしています。
4回転、気負いが無く、いい入りでした。だけに3A残念!
3A-3T、気合で飛びましたねー。3Aのミスがあったので入れてくるかな?と思ったら、やはり久々の3連続も見られました。
もうなんというか、ミスがあっても安心してみていられる、そんな演技ですね。観客の乗せ方もうまい。
ステップの途中で、観客の年配の女性も笑顔で見ている。さすがです。
4回転、良くなってますね。間もなくモノにできそうですね。
172.63のシーズンベストに対して161.74。チャンの前ですしね。PCSは相変わらず高いです。

■チャン
そう、この人は本番で決められるんですよね。素晴らしい4回転!
現役選手の中でも一番綺麗な4回転ではないでしょうか。
シェイキーながらも3A成功。これでどんどん波にのりそうです。
さて、何点出ることか。大ちゃん+20点かな。
185.99.
まぁ、カナダ選手権のイカれぶりが証明されたんじゃないでしょうか。
国内選手権のお祭り騒ぎを鵜呑みにしたのか利用したのか、「300点の男」とあおるフジテレビのレベルの低さもあっぱれですけどね。

■デニス・テン
アモディオが国際試合で注目され始めた頃を思い出させます。軸の細いジャンプで全て飛べてしまうのではないかと思うのですが、まだスピードと気持ちがかみあっていないかな。
ミスをしても小さくならずに、体を存分に使っているあたりは、まだまだ伸びしろを感じさせます。

■無良
ちょっと神経質な表情をしているかな?
冒頭からすごいスピード・・・あぁ4回転抜けてしまった。でもここから立て直していくことが大事。
3A-2Tから少しずつ体力が落ちていましたが、なんとか滑りきりました。
無良君は一度ミスをすると、後が雑になることが多かったんですが大崩はしなかったですね。

■マイナー
久しぶりに演技を見ました。大きいと言えばダイナミックな演技ですし、大味というと大味。
要素が次々と流れていて、アンタッチャプルじゃなくてもよいのでは?という構成に思えました。146点・・・?


玄人肌のプログラムを何でもこなせる高橋君の4回転が安定した時に、チャンやプルシェンコの点数と比較してどういう結果になるのか。その日を楽しみに応援し続けます。
明日の女子、僅差の上位選手がどこまで自分の演技で攻めていくのか。こちらも放送が楽しみです。

ロシア芸術の真髄を堪能。ボリショイバレエ「スパルタクス」

ザハーロワのいないボリショイ来日公演ということもあって、もうひとつ自分の中で盛り上がらず、それなりにお値段もすることだし、と悩んだ結果、年はじめの鑑賞はスケート(Stars On Ice)、に決めていました。

が、数列目のセンターという良席、しかもボリショイオケによる演奏で、「スパルタクス」が見られる・聴けるとあって、
東京文化会館へ足を運ぶことにしました。

休憩含めて3時間という長丁場のタイムスケジュールを見て心配になりましたが・・・
最高峰の技術と演技に涙しながらの鑑賞となりました。ありがとうボリショイ!行ってよかった!

ところで。
すっかり記憶から抜け落ちていたのですが・・・4年前にも東京文化会館でボリショイを観ていました。
ザハロワとウヴォーロフのゴールデンコンビのジゼル。
の予定でした。
というのもザハロワのレッスン中の怪我により、イワンとオーシポワに急遽交代となった公演でした。
あまり記憶に残っていないのはなぜだろう。

ということで、ゼロベースの気分で上野に出かけたのでした。
相変わらず女性の観客が9割という、日本ならではの光景。

スパルタクス役:イワン・ワシリーエフの跳躍といったら・・・この人は本当に空(くう)を飛べるのではないかと思えるほど。
普通のダンサーより数秒も滞空時間が長いのでは?!
最後まで跳躍も回転もともに、スピードも高さも脚も落ちない、ぶれない。
そして強さと愛情と怒りの表現力。

連続ザンレールの高さ、ぴたりと吸い付くような着地。飛び上がってから余裕で開くグラン・ジュテ。速すぎて回転数のわからないピルエット・ア・ラ・スゴンド。
最後にスパルタクスが死んでしまうときは、「悲しい」ではなく「あぁもう彼の跳躍が見られないのか」と思ってしまった。
最高の技術と演技にカーテンコールで会場から沸き起こる拍手とスタンディングオベーション。
もちろん。心からの感動を、拍手にこめて舞台へ贈りました。

フリーギア役はスヴェトラーナ・ルンキナ。
はっきり言って、女性団員全員が手のひらサイズのフェイス、抜けるような白い肌、長く細く美しい足で群舞が並ぶとパリコレのショー並みなのですよ。
その中でも一際華奢なのがルンキナ。もちろん、団員皆モデル級ですが、彼女はちょっと細すぎ。
シルフィードやオデットならよいのですが、この役には人間味が薄くて、迫力も足りず、全体的にちょっと物足りなかったです。イワン演じる、血気盛んでほとばしる情熱のスパルタクスの妻としては、ちょっと違和感がありました。
妻というより娘のようで。
ただ、彼女があれだけ細いのと、イワンの超人的な筋力あっての、あの片手リフトであることは確かです。
はかないオデットが観てみたいですね。

クラッスス:アレクサンドル・ヴォルチコフ
ほりの深さ、鼻の高さ、大きな目を強調するメイクに金髪、衣装がぴったり似合っていてギリシャ神話の彫刻のようでした。
舞台を支配してしまうイワンのパワーのせいで、やはり影は薄れてしまうものの、彼の技術も確かなものでした。
あの細い足でよく跳んでいました。

団員全体に言えるのですが、ちょっと回転不足、とか、着地のブレ、とかふらつきがありませんでした。
たいていのバレエ団では、「おっとと・・・」というシーンがあるものですが、ボリショイの技術の高さは、群舞であっても世界の「中の上」クラスが最低ラインだと思います。

エギナ:マリーヤ・アラシュ
キャラクターとしてはぴったり合っている役柄。
しかし・・・軸がぶれたり、大道具に腰かけた途端に、肩でぜーはーと荒い息遣いが見えたり、残念なシーンがいくつかありました。パンシェの足もいまひとつあがりきってなくて・・・。一番気になったのはヴォルチコフとのぎこちないパ・ド・ドゥ。彼女は少し大柄な方なのかな(それでも細いけど)、リフトのときは重たい荷物のようだし、真顔になるしで、ヴォルチコフがちょっと気の毒でした。これから経験つめば変わるかも。

そんなわけで、女性ふたりにはもうひとつな感がありつつも、イワンの超人的な技術とエネルギッシュな演技が舞台を、会場を支配していました。
人間の体でここまで飛べるのか、と、彼から目を離すことができませんでした!

一生で数えるほどの感動がそこにありました。ボリショイ、イワンに感謝!

シニア、ジュニア−それぞれの挑戦。全日本女子

スター選手はいなくとも、着実に実力をつけて育ちつつある10代ジュニア達。
ポーンと抜ける子が出てくるから面白いんですよね。さて、全日本最終日は。

■庄司
注目され過ぎたシーズン、結果を求められてキツイ思いもしたのではないでしょうか。
少し体型がふくよかになったような気がします。
相変わらず助走が短く、無駄な動きが無い技術の高さを感じさせる滑り。荒川さんとかぶります。
ミスの無い、いい演技でした。
ジュニアながら、しっとりした空気をつくれる数少ない選手ですね。

■佐藤
柔軟性を生かしたスピンが綺麗です。ビールマンへの移りも早くて滑らか。
ただ、ジャンプまでの助走が長いのと、表情が無い点を改善できるともっと点が伸びそう。
多くの選手が手こずる中で、ルッツが好きというのは強みですね。
他のジュニアと同様、最初の振りから音がとれていないのが気になりました。あとは衣装。
紫の地にごってりと張り付くビジュー・・・やぼったいです・・・。
若さを生かした美、というのもあると思うのですが。

■鈴木
ピンクのグラデーションが初々しいです。
手足が長く、プロポーションに恵まれている選手。レイバックスピン時のすっと伸びた手が栄えます。
漕がずに滑らかに加速できる自然な滑りもいいですね。
上半身、特にアームスの使い方に神経が行き届いています。スパイラルでもっと足が上がると綺麗ですし、点数も上がるでしょう。ダメだなと思うジャンプですんなり回避してましたが、あまり勝ち意識が無いのかな?
あっという間に終わってしまったFPでした。SPよりのっていたよう。時折はっとするような表情の変化が楽しめました。
これからが楽しみです。

■村元小月
濃紫の衣装がよく似合っています。
淡々と技をこなせてはいるのですが、曲に入りこめていないですね。もっとも、なぜこの年齢の女子たちがこの曲を選ぶのか不思議です。ケレンミたっぷりなキャラクターの女性が演じるのなら分かるのですが・・・。

■友滝
ジュニア勢は皆、緊張で顔が強張ってますね。無理もないのですが!
高さのあるジャンプですが、後半まで持つかが心配。彼女もまた曲にのれていないです。
エッジジャンプが得意なのかな。
サムソンとデリラというと、安藤選手を思い出します。あれぐらいアクの強い選手こそがこなせる曲なのだと思えました。

音をとることができている選手は宮原選手くらい。
やはり日本の選手はキメることが苦手ですね。オーバーなくらいの動作で、演技もしまってくると思います。

■高山
これまたひどくやぼったい衣装・・・。
アメリなら、もっとそぎ落としたシンプルな衣装が曲を生かすのに、小学生の発表会のよう。染めた髪に気合の入ったメイクともミスマッチ。自然体の彼女が見えません。
バネのあるジャンプは安心して見られます。が、ミスの後、守りに入ってしまったのが残念。ステップも止まりそうでした。

■鈴木
いい出だしだったけれど、緊張しているかな。いつもよりややスピードが無いけど、大崩しないのがベテラン。
経験で持ち直せるかと思ったのですが、さすが音によくのっているけれど、いつもより慎重な演技でした。
それでも笑顔で滑れるのが彼女の最大の武器です。

■村元
緊張し通しでしでしたね。固さが最後までとれなかったのが残念。
長い手足はそれだけで大きな武器。音楽に入り込んだ演技が見てみたいです。

■西野
昨シーズンより少し体が絞れているかな?女性らしい顔立ちになりました。
しかし、なぜこの曲・・・誰もが知ってるメロディ、のれればともかく、ミスをしたときはその旋律が悲しく感じて逆効果。
もっと選手の持ち味を生かした選曲があるでしょうにと思えずにはいられません。

■浅田
6分間では3Aも飛べていましたが、余裕をもって2Aでスタート。
珍しく得意なループでミスがありました。
この状況で滑ることができるその精神力に言葉がありません。
おそらく、今は違う空間にいるのでしょう。

久美子コーチも八木沼さんも涙で迎える中、リンクからあがるときに「悔しい」とこぼした彼女の強さを見た思いです。
毎年全日本は国際大会の1.3倍くらいの点数が出ますが、今回はまっとうですね。

■今井
長久保コーチの元で固めた基礎をもとに、有香コーチのもとでさらにスケーティングに磨きをかけている彼女。
違う環境にも適応できる強さで、着実にステップアップしている頼もしい存在。
SPもFOも品のよいレーシーな衣装。FP冒頭、綺麗に3T-3Tが入りました。
踊れるというより、雰囲気や曲に入り込めるのが彼女の強み。体もよくしぼれています。
昨シーズンからアームスの動きが格段に良くなり、演技にメリハリをつけています。
会場が浅田選手を押す空気の中、マイペースでキュートな演技が魅力的でした。強さを感じます。
佐藤ファミリーは、選手の良さを引き立てる曲選びが好印象。時に地味と感じることも無くもないですが
少なくとも奇抜さで勝負せず、品の良さが残る後味の良い演技ばかりです。

■村上
スピードあるスパイラルは見ごたえあります。
後半の3Loが決まったのは大きい!プログラムの中で克服する強さ。
慎重にならずに責めるところは彼女の持ち味。見ていて気持ちがいいです。
転倒の後の3連続は見事!ちょっと焦ったかな?
6位はちょっと下げすぎでは・・・。

順当に、浅田、鈴木、村上の3選手がWorldへ。
Junior Worldは佐藤、宮原、庄司。

それぞれの活躍に期待しつつ、まずは年内最後の大舞台、皆さんお疲れ様でした!
プロフィール

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